■12月12日

塾長トムは徳大大学院時代,病態予防医学講座に所属しており,ガンを初めとして,さまざまなありふれた病気,すなわち生活習慣病について学びました.その時の知識がそろそろ熟成してきたので,病態予防医学講座と題してトムが考えるところを語ってみようと思います.
糖尿病や心臓病などの疾患は,ダイエットが有効ですが,ガンにならないためには,よく食べることと,体を温めることが重要だと思います.それはなぜかというと,人間の体内では,日々ガン細胞が出来ています.そしてそれを駆除する免疫細胞,NKT細胞が活動することにより,日々新しくできたガン細胞は排除されます.そうなると,免疫細胞が増殖する器官であるリンパ節が環境が良い状態というのが重要になってきます.栄養が足りてなかったら,リンパ節で必要なT細胞やB細胞も増殖しにくくなり,日々出来てくるガン細胞の数に免疫細胞の数が追いつかなくなります.リンパ節は体の至る所にあるので,体を温かくすることにより,リンパ節の環境を整えることも重要です.また,今回,ノーベル医学生理学賞を受賞した大阪大学の坂口先生がみつけた制御性T細胞もリンパ節にいるので,リンパ節の環境を整えることは,非常に重要です.
風呂に入ったり,運動したりすることで血流も良くなり,免疫細胞も体の各地に移動しやすくなりますし,体をもんだりするのもリンパ液の流れが良くなり,免疫細胞が活動しやすくなるのでガンにならないために有効です.
西暦2000年ごろにガン研究はひとまず終っており,メカニズムが分かっています.増殖に関する遺伝子に突然変異が起こる仕組みですが,大腸ガンの研究により,体の正常な細胞がたまたま遺伝子に紫外線などの影響で突然変異が起こり,それが100万個くらいに増えてその中の細胞にさらに突然変異が起こり,これがくり返されることで10回くらいこのくり返しが起こるとようやくガンになると言われています.つまりなかなかガンにはならないということです.だからトムが思うに,突然変異が起こることを心配するよりも体の栄養状態や体温などを常に良い状態に保つほうがガンにならないための優先順位は上がるということです.
メディアの情報によると,2人に1人はガンになると言われていますが,2人に1人はガンになってないと捉えることもできます.つまり上手に生きた人は一生ガンにならない人もたくさんいるということです.これからのより良い生き方は,自分を常に大切にし,そういった周りにいる病気をしない人の生き方をまねることだと思います.
以上が,ここ20年ほど考えて熟成されたトムの考えです.今回はガンについての病態予防医学講座でした.
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